子どもの長引く咳の原因

子どもの咳症状

咳は、空気の通り道(気道)の分泌物や異物を排除し、気道の閉塞や感染を予防しようとするからだの防御反応です。
発熱や痰の有無、咳が酷くなる時間帯などによって咳の原因となる疾患を判断していきます。咳が突然はじまった場合は、異物誤飲やアレルギー食品を食べた可能性がないかなどの咳が出はじめた状況を確認しましょう。異物誤飲やアレルギーが疑われる場合は緊急で治療が必要になることがあります。

  • 『コンコン』という乾いた咳
  • 『ゴホンゴホン』という痰が絡んだ咳
  • 『ゼイゼイ、ヒューヒュー』という音がする咳
  • 『ケンケン』といった犬が吠えるような咳

などの咳の特徴によって疑う病気を判断することもあります。

以下の症状を伴う場合は、すぐに医療機関を受診するようにしてください。

  • 顔色が悪い
  • 鎖骨や肋骨のあたりが息をするたびに窪んでみえる(陥没呼吸と呼びます)
  • 肩を上下に揺らしながら息をしている(肩呼吸と呼びます)
  • 鼻の穴がピクピク動かしながら息をしている(鼻翼呼吸と呼びます)
  • 近くにいるとゼイゼイと音が聞こえる
  • 咳込んで眠れない

咳の原因疾患

かぜ(かぜ症候群)

鼻から喉までの気道(上気道といいます)に急性の炎症が起こり、鼻汁や鼻閉が主な症状のウイルス性疾患を急性鼻咽頭炎や急性上気道炎と呼びます。また、かぜ症候群や感冒と呼ばれたりします。かぜ症候群の原因となるウイルスは多岐にわたります(ライノウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、パラインフルエンザウイルス、インフルエンザウイルス、コロナウイルス、アデノウイルス、コクサッキーウイルスなど)。
ウイルス性感染による咳の場合、50%は10日以内に、90%は25日以内に消失しますが、基礎疾患がある場合などには咳が慢性化してしまうことがあります。
場合により、急性期を過ぎウイルスが消失した後も、感染後の影響で気道が過敏な状態が遷延(せんえん)してしまい、咳が遷延してしまうこともあります(感染後咳嗽)。
気になる症状がある場合は、気軽に当院にご相談ください。さい整形外科と連携し、必要に応じて胸部レントゲンを撮影することも可能です(ただし、新型コロナ感染症対策のため、発熱されている患者様には胸部レントゲンを撮影することはできません。誠に申し訳ございません)。

ウイルス性クループ(急性喉頭気管支炎)

軽症であれば、ケンケンといった咳(オットセイの鳴き声のような/犬が吠えるような咳です)や、しゃがれた声(嗄声)のみを認めます。中等症の場合、喘鳴(ゼ~ゼ~)や陥没呼吸(鎖骨の上や肋骨の下が呼吸のたびに窪んでみえます)を認めるようになり、重症の場合は呼吸苦によって顔色が悪くなり、意識状態が悪くなってしまいます。中等症以上の場合は早急に医療機関を受診してください。夜間に症状が悪化した場合は、救急外来の受診をお勧めしております。ウイルス性クループは、生後6ヵ月から3歳頃までの乳幼児のお子さん達に好発します。

副鼻腔炎

黄色い鼻水(膿性鼻汁といいます)、鼻水が喉の奥に垂れ込む(後鼻漏といいます)、鼻づまり(鼻閉といいます)、頭痛などの症状を副鼻腔炎は引き起こします。
後鼻漏によって痰が絡んだようなゴホンゴホンといった咳をきたし、長引く咳の原因となることがあります。お子さん達はなかなか症状を訴えることが難しいため、そばにいるご家族が気づいてあげることが大切です。
副鼻腔炎の治療は必要に応じて抗生剤の内服治療を要しますが、自然治癒も60%前後あると報告されています。長引く咳を認める場合は、当院ではさい整形外科に依頼して副鼻腔のレントゲン検査を行い、診断をし、治療方針を検討しております。お気軽にご相談ください。

気管支炎・肺炎

鼻から喉までの気道(上気道)で起こった炎症(かぜ症候群・感冒といいます)が、喉から肺までの気道(下気道)に炎症が波及すると気管支炎や肺炎となります。
かぜ症候群と比較して気管支炎や肺炎では、発熱や咳といった全身症状が強い傾向にあります。気管支炎や肺炎では咳は必発で頻発し、かぜ症候群より強く長引きます(かぜ症候群の咳は3~4日をピークに改善することが多い)。
気管支炎は、高熱時や炎症所見(血液検査で評価)が強い場合には抗生剤の内服加療を行います。咳が2週間以上遷延する場合はマイコプラズマや百日咳による気管支炎を疑い、それに応じた抗生剤へ変更することが必要となります。
肺炎の治療は気管支炎と概ね同じですが、中等症以上の肺炎であれば、入院での治療が必要となります。気管支炎や肺炎への抗生剤による治療効果判定には通常、2~3日間の投与によって症状や炎症所見が改善するかで判断することが多いです。

気管支喘息

空気の通り道(気道)が狭くなり、呼吸が苦しくなる状態(喘息発作)を繰り返してしまう病気です。空気の通り道(気道)に慢性的な炎症が起こっていることから、刺激に対して敏感な状態となってしまいます。(慢性的な炎症を放置しておくと、空気の通り道(気道)は狭い状態のままとなり、元に戻らなくなってしまいます。)ちょっとした刺激でも敏感に反応してしまい、喘息発作を繰り返します。
ゼ~ゼ~・ヒューヒュー(喘鳴)を繰り返す、風邪をひいた後に咳が長引くときは気管支喘息の症状かもしれません。夜に咳で眠れない・明け方に咳で目覚める・ホコリを吸うと咳が出る・運動後にゼ~ゼ~しやすいなどが気管支喘息の典型的な症状です。
しゃべれない・歩けない・眠れない・顔色が悪い・ボーっとしている・興奮している・呼吸しているとあばら骨がはっきりと凹む(陥没呼吸)などの症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。

咳喘息

喘鳴(ゼ~ゼ~)や呼吸困難を伴わない慢性の咳を唯一の症状とする病気を咳喘息と呼びます。咳喘息から気管支喘息に移行することもあると言われています。成人では、慢性咳嗽の3大原因のひとつとされていますが、小児では咳喘息の頻度は低いと考えられています。
小児の咳喘息に診断基準はありません。成人の咳喘息の診断基準は以下の2点を満たすこととされています。

  • 喘鳴(ゼ~ゼ~・ヒューヒュー)を伴わない咳が8週間以上持続する。
  • 気管支喘息の治療薬のひとつである気管支拡張薬が有効である。

アレルギー性鼻炎(通年性・季節性)

アレルギー性鼻炎も長引く咳の原因となることがあります。アレルギー性鼻炎が咳を引き起こす原因としては、①鼻の粘膜が過敏となっていることから、咳反射が誘発されてしまう、②鼻水が喉の奥に垂れ込む(後鼻漏といいます)刺激によって、咳が誘発されてしまうなどが考えられています。
長引く咳に加えて、鼻づまり・水様性鼻汁・くしゃみ・後鼻漏を伴う場合は、アレルギー性鼻炎の可能性を考慮します。

百日咳

百日咳菌(Bordetella pertussis)という菌が原因による感染症(5類感染症全数把握疾患)で、長引く咳の原因となります。潜伏期間は通常7~10日間で、風邪様の症状(1~2週間:カタル期)で発症します。次第に咳が激しくなり、百日咳特有の咳が出始めます(2~4週間ほど特有の咳が続きます:痙咳期)。典型的な百日咳の症状は、顔を真っ赤にしてコンコンと激しく咳き込み(発作性連続性の咳き込みで、「スタッカート」と呼ばれます)、最後にヒューと音とを立てて息を吸う発作を認めます。4種混合ワクチンを接種している場合でも百日咳に感染することがあります。その場合、前述のような典型的な咳症状を認めず、診断に至るまでに時間を要することがあります。
2~4週間程度の痙咳期のあと、1~2週から数カ月の経過で咳が治まっていきます(回復期)。このように百日咳はその病名の名の如く、100日間程度の咳が続きます。
百日咳に対して、発症早期(カタル期)に抗生剤投与を行うことで病期の短縮が期待できると報告されています(小児呼吸器感染症ガイドライン2017)。長引く咳嗽が続く場合は、医療機関にてご相談ください。

気道異物

異物が空気の通り道のメイン通り(喉頭・気管)や側道の大通り(左右気管支)に完全にはまり込んでしまうと窒息してしまいますが、ある程度の空気が通過できる状態で詰まると、長引く咳や喘鳴(ゼ~ゼ~)の原因となることがあります。
突然の咳き込みから始まることが多く、3歳未満のお子さんに多いことが特徴です。異物のはまり込んだ位置が移動することがあり、咳の程度や頻度が経時的に変化することもあります。
異物がはまり込んだ直後は乾いた咳ですが、ある程度の空気が通過できる状態で異物が詰まった状態が続くと、痰がらみの咳となっていきます。
胸部単純レントゲン写真によって診断することができることもありますが、異物がレントゲンに投影されないものであった場合、胸部単純レントゲンでは容易に診断することが困難な場合もあります。その場合は胸部CT検査などによって精査が必要になります。

胃食道逆流症

胃の内容物が食道内に逆流する現象を胃食道逆流現象と呼びます。胃食道逆流現象はゲップの際に起きる生理現象ですが、何らかの症状や合併症の原因となってしまう場合を胃食道逆流症といいます。
逆流した胃内容物が気道内に入り、誤嚥することで咳が誘発されることがあります。また、逆流によって、胃酸刺激が食道内にある咳受容体と呼ばれる部位を刺激して咳が誘発されることもあります。こういった理由で胃食道逆流症も長引く咳の要因となります。
胃食道逆流現象の関与する長引く咳の特徴としては、日中の乾いた咳とされています。しかし、逆流の程度が強い場合などでは夜間や臥位(横になって寝ている姿勢)で咳き込むこともあります。

心因性咳嗽(がいそう)

発作性で繰り返す乾いた咳で、季節性はなく、日中に多く、睡眠中にはほとんど起こらない
という特徴があります。心因性咳嗽を診断するための特異的な検査はありません。心因性咳嗽と診断するためには、他の病気(気管支喘息や副鼻腔炎など)ではないと診断してから判断するしかありません。そのため、診断に至るには時間を要することがあります。

よくある質問

風邪と診断されていますが、咳がなかなか治りません…。1週間くらい咳が続いていますが、このまま様子をみていてもよいのでしょうか?

風邪(ウイルスによる急性上気道炎)の咳は、50%は10日以内に、90%は25日以内に消失するとされています。言い換えれば、風邪の咳でも4週間程度続くことがあり得ます。しかし、2週間以上咳が続く場合は医療機関でご相談ください。ある程度、食事が摂れていて水分が飲めて元気がある状態であれば、1週間くらい咳が続いているのなら、様子をみて頂いてもよい可能性があります。ご心配なことがあれば、お気軽に当院にご相談ください。

咳が長引いています(8週間以上: 慢性咳嗽)が、どんな病気が考えられますか?

咳が8週間以上続く場合、慢性咳嗽と呼ばれます(3~8週間の場合、遷延性咳嗽と呼びます)。慢性咳嗽の原因としては、呼吸器感染症(感染後咳嗽、百日咳など)、気管支喘息、後鼻漏症候群(鼻副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎)などが考えられます。また、年長児のお子さんの場合は、稀ではありますが、アトピー咳嗽や心因性咳嗽などが長引く咳の原因として考えられます。

感染後咳嗽とは、急性期を過ぎて病原体が消えた後も感染の影響で咳の感受性が亢進した状態が続き、咳が遷延してしまう病態です。

上記に列挙した病気以外には、先天性異常・免疫不全による呼吸器感染症の繰り返し(原発性線毛機能不全症、気管支拡張症など)や心臓の病気(先天性心疾患による左心不全など)、薬剤(アンギオテンシン変換酵素阻害薬など)によって長引く咳の原因となります。

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